第25回 被害者勉強会レポート

無料法律相談・心の相談・成年後見人相談

◆日時  : 2012年10月28日(日)9:30開場
◆会場  : 新宿ワシントンホテル新館 菊・高尾2
<主なプログラム> 
◆ 講演 : 「交通事故後の高次脳機能障害への対応」
◆ 講師 : 東京慈恵会医科大学附属第三病院
       リハビリテーション科 診療部長
       渡邉 修 氏
◆ 最新判例情報 (協力弁護士より)
◆ 分科会 : 損害賠償、自賠責、リハビリと介護、親無き後、後見人
◆ 無料法律相談
◆ 無料心の相談

【裁判分科会の感想】 代表 北原浩一


「加害者側損保会社が被害者の過失割合について50対50と主張してきた際に、その割合を変更するノウハウを教えて欲しい。加害者は良い人である」と言う質問が出ましたが、これと似たような被害者が他にもいるかと思うので、アドバイスします。この考え方は的外れで敗訴の第一歩です。
被害者に損害を与えた人は加害者ですから加害者は良い人かどうかに関係なく、加害者に民事上の過失責任分の賠償を求めるほかないのです。その民事上の責任分の支払を損保会社は営利事業として引受けているのです。過失割合は事故の事実が分かれば認定基準に基き必然的に裁判所の判断で決まるのであり、交渉で決まるものではありません。事実とは加害者と被害者の走行してきた経路や相互の速度や前を見ていたかどうかや信号の色などの本当の真実を明らかにすることです。加害者は自分に有利なように嘘を言い、事故を見ていない警察官に嘘の混じった供述調書を取られるのです。被害者は事故の事実がどうなっているか調べ被害者の正当な権利を取戻すためにその証拠を出して裁判官に認めてもらえば、加害者側損保に有利で不当な解決を受け入れないで済むのです。損保会社は支払を最低限で済ます立場ですから、過失割合を変える交渉でも何でも駆け引きをして損保の有利になるように働きかけます。それがダメな場合は逆に損保会社からでも裁判を起してくるのです。損保会社の都合の良い土俵で踊らないようにしましょう。

一部しかご紹介できませんが、渡邊先生の講演はとても好評でした。午後の分科会にもご参加頂いて個人的アドバイスもくだり内容の濃い分科会でした。

【前頭葉の障害症状と対応】渡邉 修 先生
(東京慈恵会医科大学附属第三病院リハビリテーション科診療部長)

●計画をたてるのが苦手(遂行機能障害)
→→複数の仕事は紙に書いて“見える”形で計画を。
●整理整頓が苦手
→→わかりやすく配置(構造化)。
●やる気が乏しい
→→興味ある内容を。得意な、経験のある内容を。
→→先が見えない→見えやすい内容を。ステップバイステップで。
→→よい行動には目印を。
●注意が持続しない
→→持続できる範囲で。
→→気が散らないような配慮を。
●2つのことを並行するのが苦手(〜しながら、〜のついでに〜)
→→1つずつ完成させて次へ。
●すぐに怒り出す、暴力をふるう。
→→なんらかの不安感が心の底にあるかもしれない
(将来のこと、金銭面のこと、自分の役割、障害のこと)
→→不安を軽減できるアプローチ。
→→よい行動に目印を

【分科会裁判に参加して】koisyo 会員さん


刑事裁判から民事裁判まで広範囲にわたる分科会でしたので、自賠責等級認定待ちの方から係争中の方まで参加者の立場は様々でした。ある方は示談も視野に入れて法律相談を受けた後、より多くの賠償金が取れることを知りました。またある方は過失割合を変えることができるかの質問をされていましたが、それには損保は道路交通法に準じて過失を判断するので、先ずは事故状況を知ることが前提であるとのお答えを頂きました。 私達家族は10月末に提訴をしたばかりで民事裁判に向けて不安な気持ちで分科会に臨みましたが、裁判を闘っていく為の重要なポイントを学ぶことが出来ました。それは損保の口車に乗らずに冷静な判断力を持つこと、弁護士任せにせず自らも行動することで、これらを今後も常に心に留めておかなければと思います。 分科会裁判は経験者によるアドバイスを受けられ、損保側の考え方を知りえる貴重な場でした。

【心の相談 カウンセリングを受けて】 koisyo 会員さん


誰しも、多かれ少なかれ悩みやストレスを抱えながら生活をしていると思います。大抵のことは日々の生活の中で消化され、振り返れば時間と共に解決されていたことに気づく些細な出来事である場合が多いかもしれません。しかし、その悩みが長期間に渡り継続するものであったり、一度にいくつもの問題が身に降りかかってきた場合、それを自分一人で抱え込むと精神的に大変辛い状況に陥ります。どこかでガス抜きしないと、心の中は不透明な重苦しい物体に占拠されパンク寸前の危険な状態になってしまいます。このような時、メンタルケアーは非常に有効であると思います。カウンセラーに相談することにより、まず、悩みを自分自身で整理することができ、また、話すことによりストレスを解消することができます。人は、だれかに話を聞いてもらうことにより一定の満足感をおぼえるものです。さらに、専門のカウンセラーからのアドバイスにより、新たな方向性や光が見えてくることもあります。今回の勉強会において、木村先生からのカウンセリングを一時間ほど受けて、心の重荷が少し和らいだことは間違いありませんでした。本当に有難うございました。