過去の活動内容の報告

第120回 自動車損害賠償責任保険審議会報告

第120回 自動車損害賠償責任保険審議会が、平成17年1月20日(13~16時)、21日(14~15時)の2日間に渡って、金融庁 中央合同庁舎4号館特別会議室にて行われ、 当会の北原代表は特別委員として出席し、理事3名が傍聴に参加しました。

【主な参加者】
金融庁事務局及び国土交通省事務局、損害保険料率算出機構、日本損害保険協会、日本医師会、各分野の専門家・学識経験者交通事故被害者団体(全国交通事故遺族の会・井出会長、交通事故後遺障害者団体連合会ならびに当会・北原代表)など18名の委員・特別委員(新任5名)その他、傍聴者多数。

金融庁・日本損害保険協会自賠責保険特別委員会・国土交通省より、
議題についての説明があり、その後、質疑応答が行われました。

その中で、当会の北原代表は、「自賠責保険に係る契約者負担額について」、「自賠責保険診療報酬基準案について」、「保険会社の運用益の使途について」、「自動車損害賠償保障事業賦課金について」に対し、交通事故による重度後遺障害者の立場からの意見を述べ、制度や法律の意義を改めて問い直し、正当な改正を求めました。

「交通事故後遺障害者家族の会」としては、被害者の救済をより一層充実させるため、世直しという意味からも、会員への個人的支援以外にも、このような様々な活動を行って参りたいと思います。

内閣府 犯罪被害者等施策推進準備室のヒアリング報告

犯罪被害者支援法成立に伴い、平成17年2月23日、内閣府 犯罪被害者等施策推進準備室のヒアリングが行われました。交通事故被害者団体代表として、当会の北原代表も招請され、「交通事故被害による重度障害者の声」と題した意見書を提出して参りました。

その中で、交通事故被害による重度後遺障害者が増加の一途を辿っていること、重度後遺障害を負った本人はもとより、その家族も介護に追われて、公的機関に訴える余裕もなく、苦しみつづけていること、交通事故にまつわる警察の捜査や法律・司法の問題点を具体的に挙げ(初動捜査と調書の問題、重大な交通事故(死亡や重度後遺障害)を起こした加害者の厳罰化等)、これまで見過ごされてきた交通事故被害者への支援を訴えました。

意見書の中でも述べられているように、重度後遺障害を負った当事者やその家族は、日々の介護やリハビリに追われ、自分の事件の解決すらままならないでいます。ましてや、社会制度等の矛盾、盲点について意見等を述べることなどは、個人では、さらに難しいことです。

当会では、今後も交通事故被害によって人生を狂わされ、苦しんでいる方達の声を集め、皆様の代表として訴え続けて参りたいと思っております。

内閣府 犯罪被害者等施策推進準備室のヒアリング報告

平成17年3月2日、13時30分~15時まで、国土交通省 合同庁舎3号館4階特別会議室にて、第14階自賠責保険のあり方に係る懇談会が行われ、当会の北原代表は委員として出席し、理事3名が傍聴に参加いたしました。

【主な参加者】
座談会座長、交通事故被害者団体代表(全国交通事故遺族の会、井手会長、当会の北原代表)や、各分野の専門家・学識経験者などの委員12名
自賠責保険・共済紛争処理聞こう、自動車事故対策機構、日本損害保険会、国土交通省事務局等10名 傍聴者7名

【議事次第】
1、自動車損害賠償保障法改正法の実施状況について(国土交通省増井保障課長)
2、平成17年怒自賠特会予算案について(同上)
3、独立行政法人自動車事故対策機構について(同機構中山理事)
4、(財)自賠責保険・共済紛争処理機構について(同機構小畠専務)
5、その他

資料をもとに、以上の報告・説明があった後、当会の北原代表は、懇談会宛に質問書を提出し、それに沿って質問を行いましたが、概要は以下の通りです。

1、自動車損害賠償保障法改正法の実施状況について

「政府保障事業のうち、自賠責保険のない車により被害者が重度障害者になった際の審査が、自賠責保険のある車による被害者より厳しい査定になるのはなぜか。

その理由を文書で明示して頂きたい。」また、「これでは自賠責保険のない車による気の毒な被害者を救うことができない」という点を強調しましたが、これに対し、国交省増井保障課長からは、「自賠責は、被害者にある程度の過失があっても過失相殺されないが、保障事業の場合、政府が補填したお金については、その後加害者に求償するという制度なので、通常の民法と同じ考え方でやっている」との答弁がありました。

それに対し、北原代表はさらに、加害者に対して求償するというが、それなら回収率など実態について明らかにしてほしい。いずれにしても、ユーザーが負担している賦課金で救済しているもので、税金で救済しているものではないから、差があることは不当である旨を訴えました。加えて、他の学識経験者からも、「加害者からの求償実績の内容を明らかにすること、国交省は、制度に対する考え方を再検討する必要があるのではないか」という意見が出されました。

2、平成17年怒自賠特会予算案について(同上)

「自賠責保険再保険制度が廃止になり、被害者救済が後退することが懸念されたが、高次脳機能障害者に対する障害認定の実情をみると、懸念どおり厳しくなってきている。過去3年間の第1級・第2級、第1級3号・第2級3号・第3級3号の認定数の推移を文書にて明示していただきたい」

3、独立行政法人自動車事故対策機構について(同機構中山理事)

「高次脳機能障害認定の仕組みと、認定に従事する委員が損保のし同を受けるとか、損保から利益を受ける(あるいは過去に受けた)立場であるものがいないかについて、国土交通省は調査して文書でしていただきたい。

4、(財)自賠責保険・共済紛争処理機構について(同機構小畠専務)

「自賠責保険再保険制度がなくなる以前は、交通事故対策センターに被害者団体代表の意見を聞く会議体(評議委員会)があったが、現在はそれを廃止したのか?廃止したのならば、その理由はなぜか?被害者代表の意見を聞く必要がないというなら、その理由を文書で明示していただきたい」

補足として北原代表は、「障害者の団体といっても、病気による障害者を含んだ、福祉による救済を厚生労働省等に求める活動をする団体ではなく、真の交通事故による重度被害者団体の代表が参加しないのであれば、本当の意味で、『交通事故による被害者を救うことを目的とした制度』からかけ離れていること、また、『交通事故を減らす』という視点も欠けてしまう」などと強く訴えかけました。

※自賠責保険再保険制度廃止になる以前の交通事故対策センターには、被害者団体代表の意見を聞く会議体(評議委員会)があったのだが、それが現在は、独立行政法人 自動車事故対策機構の「運営懇談会」という名称になっている。しかし、その委員の中には、真の意味での交通事故による重度障害者団体の代表を参加させていないのである。当然、参加させるべきところを参加させていない事への強い異議申立てであった。

5、その他

「介護保険料支給手続きが簡略化できないか、所得制限の不公平が改善できないか」等

懇談会は、予定の時間を15分オーバーして終了。当会が文書で質問したことに対しては、当局から何らかの回答があるものと思われますので、回答がありましたら、HPでもお知らせ申し上げたいと思います。

以上はほんの一例ですが、、Koisyoでは、会員への支援だけではなく、交通事故問題について、社会へ訴えていく活動も積極的に行っております。今後も、皆様のご支援のもと、より一層努力して参りたいと思っております。ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。